古着の知識(Burberry編
世界的に”一流“と評され、愛され続けるイギリスのブランド「Burberry」 今回はブランドの生い立ちや年代ごとの特徴を余すことなくお伝えしていきます!
1.ブランドの設立
1856年、英国の”ベージングストーク“に当時21歳だった
「トーマス・バーバリー」が自身の手掛けるショップを開設したことが始まりです。
1879年にトーマスによって”ギャバジン“という生地を開発。
素材を緻密にきつく織りあげた”綾目“と呼ばれる見た目の「ギャバジン」は主にコットンを用いて制作されました。
通気性と耐水性、丈夫さに優れたこの生地はこれまで厚い素材で重たく作るしかなかったレインコートの制作に”革命的“な変化を与えました。
1888年に正式に特許を取得。以降アパレル業界の基本的製法として認可されていきます。
2.ブランドの成長
1901年、ブランドとして急速に拡大していく中でBurberryは自社のロゴを“一般公募“という形で募集をします。
その結果、採用されたのが「馬上の騎士」と呼ばれる13~14世紀ごろの甲冑鎧をモチーフにしたデザイン。
以降はこのロゴをブランドを象徴する存在としてBurberryの公的なシンボルとなります。
Burberryが生み出した”ギャバジン”は「南極観察隊」「空軍」などの様々な団体に愛用され
その後にBurberryが生み出す”とあるコート“を世界的な存在と知らしめる前段となりました。
3.Burberryが生み出した「名作」
第一次世界大戦の最中、Burberryによって「トレンチコート」が開発されます。
手袋やホイッスルを携帯するために取り付けられた両肩の”エポレット“や手りゅう弾の持ち運びに活用された”Dリング“、戦闘中の衝撃から身を守る”ガンフラップ“に雨水を背中から効率よく流す”ストームシールド“など実践的なデティールを多数搭載した画期的なギャバジン素材のコート。
今では当たり前の存在となったBurberryの「ノバチェック」
これは1920年代のレインコートの裏地に起用され、広まっていきます。
その後1955年と1990年にそれぞれ当時の英国王室の「エリザベス2世 女王陛下」、「ウェールズ 皇太子」から、”王室御用達許可証”を拝受しました。
4.Burberryの年代判別
長い歴史の中でブランドにも数々の”変化”が起こりました。
それらの情報を読み解くことで、現存する製品の年代を推測することが可能です。
ブランド名
実はBurberryはブランドの設立から1999年まで「Burberry’s」という表記でした。
よって「Burberry’s」表記のものは少なくとも1999年以前であることが分かります。
ブランドロゴ
先述した”一般公募”にてロゴが決まった後も、年代ごとに少しずつ変化が見られます。一つずつ紹介していきます。
~1968「大文字」
設立から1968年までは「ロゴ+大文字」のシンプルなデザイン。
ロゴの下側にブランド名が表記されるのもこの年代に見られるポイント
後年に現れる商標登録に必要な表示なども無く、簡素であることが特徴的。
1960~1970年代「小文字 REGD」
1960年代からは表記が”小文字”に代わります。
そしてブランド名もロゴの上側表記に変更されます。
1960年からは「REGD」という商標登録済みであることを証明するマークがデザインに組み込まれます。
そのなかでも初期のタグはREGDの表記がタグの右上に表記される特徴があります。
1970~1990年代「小文字 REGDレジスターマーク」
ここからの年代では小文字+REGD+レジスターマークという構図に変わります。
REGDは左上へ移動、そして大文字の”R”を丸で囲った「レジスターマーク」が追加されます。
さらに70年代からはメインタグの他に”製造タグ”が取り付けられてます。
年代ごとに少しずつデザインが変化しますが、正確な製造年数が判別できるため分かりやすいですね。
1990年代「白タグ」
70年代以降の特徴をそのままに”白色”にデザインされたタグ。
これは90年代の”レディース”に使用されたもので、よく偽物と疑われますが実在したディテールです。
2000年~「現行 BURBERRY」
前述の通り、1999年以降はブランド表記が「Burberry」に変更。
すっきりとしたシンプルなデザインに一新されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
由緒ある老舗ブランドだけあってかなりの情報量ですが、これでBurberryの年代判別は可能になるかと思います。この記事が何かの役に立てば幸いと残して終わりにしようと思います。ではっ!!